舞台挨拶に立って笑顔の松坂桃李

 松坂桃李が「ハロー!プロジェクト」(ハロプロ)に青春を捧げるアイドルオタクを演じる「あの頃。」の公開記念舞台挨拶が2月20日、TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、松坂のほか仲野太賀、山中崇、若葉竜也、芹澤興人、コカドケンタロウ、大下ヒロト、今泉力哉監督が登壇した。

 今泉監督が、「神聖かまってちゃん」の元マネジャー・劔氏の自伝的コミックエッセーを実写映画化。ハロプロの名曲とともに、アイドルオタクたちの友情が描かれる。松坂は、大学受験に失敗し、彼女なし、金なしのどん底生活を送るなか、アイドルの松浦亜弥に魅せられていくという主人公の劔樹人役を演じている。

 この日の舞台挨拶は、新型コロナウイルスの感染症予防対策の観点から観客を半数以下にして実施され、全国156の劇場でライブビューイング中継された。そんな観客を前にした松坂は、「今まで(イベントは)リモートが続いていたので。皆さんとこうやって向きあって、作品を届けられるのはすごくうれしいことだと実感しております」と感激の表情。あらためて観客を見渡して「いいもんですね」としみじみ付け加えた。

 「年齢差を感じさせない一体感が現場にあった」と振り返る松坂が、「違う仕事もこのメンバーでやってみたい。今度は温度が違うやつで」と熱望するほどに、和気あいあいとした様子のキャスト陣。最年少ということで、先輩俳優たちにかわいがられたという大下や、本作のイベントごとにハロプログッズを仕込んでくるものの自分からは言い出せずモジモジしている芹澤を、全員がいじってみせるなど、息のあった登壇者たちのやりとりで終始盛り上がりを見せた。

 そんな中、今泉監督が「本当かどうか分からないけど、松坂さんが歌NGですとふんわり聞いていて。でもその話が監督のもとに届かないまま、今回、歌ってくれていたのはどういう心境だったのか」と疑問を投げかけると、歌が苦手だと語る松坂が「これは致し方ないというか。役を通して歌うならありかという解釈で、作品でもし歌うならやると決めているんです」と明かしてみせる。「ただうちの事務所は(俳優に)歌わせることが多くて。たぶん僕以外、ほぼほぼみんなCDを出しているんですよ。でも僕は違います」とキッパリ。「だから(劇中で登壇者たちが結成したバンド)恋愛研究会。でのCDは出ません」と宣言すると、「あんなに一生懸命練習したのに」とボヤく共演者たち。その声に松坂が「だって今はもう歌えないでしょ」と返してみせるなど、会場は大盛り上がりとなった。

 そして最後に「中学10年生のようなワチャワチャした、僕らが作りあげた空気感が、こうやってたくさんの方に見られるというのは、若干こっ恥ずかしい気もしますが。でも当時、皆さんが見た、それぞれのあの頃があると思うので、ぜひ思い出すきっかけだったり、あらためて良かったなとか、あの頃があったから今がいいんだよねと思うきっかけとなれば。とにかく本編が始まりますので、ゆるりと楽しんでいただけたら」と会場にメッセージを送った。